あおぞら通信

感染症

一言コラム④「解熱鎮痛剤」は悪か?

2015年02月18日

解熱鎮痛剤の使い方については保護者よりよく質問を受けます。しかし、医療者でも意見が分かれるところですので正解はありません。私自身が診療の中でご説明させていただいていることを述べたいと思います。

解熱剤を使うことで感冒が長引くことがあることはよく知られています。しかし私自身は、お子さんが高熱で機嫌が悪く、夜も眠れない状況でも絶対に解熱鎮痛剤を使わないでくださいということはありません。たとえ、感冒が1日のびたとしても本人がつらくなく過ごせるほうがよいという考え方もあるからです。また、体温が何度以上だと必ず解熱鎮痛剤を使ってくださいというものでもありません。お子さんの解熱鎮痛剤は、あくまでも一時的に熱を少しだけ下げてあげたり、痛みを和らげたりしてあげるだけのお薬です。感冒を治すものではありません。なので私は、それほど高熱ではなくても、不機嫌で眠れないときなどは使用してもよいと思いますし、高熱でも比較的機嫌は良く睡眠がとれる状況であれば使用しなくてもよいと考えています。現在お子さんに使える解熱鎮痛剤は法律で規制されており、強いものは使うことができません。そのため、必要以上に怖がる必要はないと考えます。


院長 立元千帆sun

一言コラム③「抗生剤の役割」

2015年01月22日

抗生剤は、おじいちゃん・おばあちゃんの世代で感冒の際の万能薬のような扱いとなっていることが少なくありません。

しかし、果たして子供でも抗生剤は万能薬なのでしょうか?

一般的に感冒には「ウイルス性」のものと「細菌性」のものが存在します。

抗生剤は「細菌性」の感冒の際にその威力を発揮します。

「ウイルス性」の感冒では残念ながらほとんど効果はありません。

多くの「ウイルス性」の感冒では自然に治るのを待つしかありません。

なお、抗生剤はウイルス性の胃腸炎の際には害となることさえあります。

赤ちゃんから子供での感冒ではこの「ウイルス性」の感冒がほとんどです。

子供を経て大人になった両親・祖父母世代では、それまでの人生で免疫ができていることにより「ウイルス性」の感冒にかかることは少ないか、かかったとしても軽症で終わることがほとんどです。

つまり、大人では高熱の際に「細菌性」の感冒であることが子供に比べると多いため、抗生剤が威力を発揮することが多いのです。

小児医学を学ぶ際に、大人は子供の単なるミニチュア版ではないということをいわれますが、抗生剤の効果にもそれは表れているということです。

もちろん、子供でも抗生剤が必要な感冒は存在します。

ただ、圧倒的に「ウイルス性」の感冒の方が多いということを知っていることが必要です。


院長 立元千帆sun

 

RSウイルス感染症

2013年01月04日

あけましておめでとうございます。

平成25年、はじまりました。

初日の今日はゆっくりとした一日でした。

お子さん方が年末年始を元気にすごせたことはうれしいことですhappy01

そんな中、今日は2人のRSウイルス感染症罹患者がいました。

(ちなみに1月2日に鴨池にある夜間急病センターの小児科当番で出向した際にも

生後まもないお子さんのRSウイルス罹患者がおり、肺炎を併発していたため入院とさせていただきました)

二人ともゼエゼエしたり、せき込んだりで眠れないとのことでした。

RSウイルスで入院したことのあるお子さんをもつ保護者の方は、この名前を聞くだけで

そのときの大変さを思い出すことでしょうが、RSウイルスってなに?って方も多いかもしれませんね。

RSウイルスは2歳未満のおこさんの気管支や肺に炎症をおこすことの多いウイルスです。

気管支や肺に炎症をおこすと高熱・せき・痰がからむ・ゼイゼイいって眠れないなど

の症状のため入院することが多くなります。

(2歳以上のお子さんや大人では、RSウイルスにかかっても軽い風邪でおわってしまうことが

ほとんどです。)

このウイルスのさらにやっかいなところは治療薬がないことです。

インフルエンザウイルスに対する『タミフル』のような特効薬はありません。

なので入院しても脱水にならないように点滴したり気管支をひろげるお薬を吸入をしたりしながら

肺や気管支の炎症がおさまるのをまちます。

治りのはやいお子さんでは3-4日で解熱することもありますが、1週間ほど熱が続くこともあります。

また、熱が出ないおこさんもいますが、その場合でも呼吸は苦しくなることが多いです。

ところで、ゼイゼイや咳ってなんだか喘息の症状に似てるなぁと思いませんか?

実はRSウイルスと気管支喘息には因果関係があるのではないかと研究がなされています。

というのもRSウイルスに罹患したお子さんは治ったあとも風邪をひくたびにゼイゼイしやすく

なったり、せきがひどくなったりとまるで気管支喘息発作のような症状を繰り返すことが

おおいからです。そのため、RSウイルス感染からしばらくの間、気管支喘息で使うようなお薬

を飲んでいただくこともあります。

ちなみにRSウイルスとインフルエンザウイルスの間にはなわばり争いをおこす性質があって

(ウイルス干渉と医学的にはいいます)RSウイルスの流行がある間はインフルエンザウイルス

は流行しにくい傾向があるといわれています。

今年はまだインフルエンザウイルスの流行も目立たないのでRSウイルスが流行しつつあるの

かもしれませんね。

お子さんがゼイゼイいって眠れないなどの症状がある方はもしかしたら・・・RSウイルスに罹患している

かもしれませんdespairそんな時はご相談ください。

2013-1-4

院長 立元千帆sun